腎臓病の方は顔や手足にむくみが出てきます。これは体液が血管外の細胞間質に蓄積することで起こります。
こうしたむくみは、押してへこんでもすぐには元に戻らないのが特徴です。顔のむくみは朝に出やすく、目のまわりがむくみます。
顔や手足以外にも、肝臓や肺などの内臓にもむくみが出ることがあります。肺がむくむ肺浮腫は呼吸困難に陥ることもあり、息苦しくなります。内臓のむくみは非常に危険です。
腎臓病の方のむくみ対策としては食事療法と薬物療法があります。食事療法は減塩が重要です。減塩することで血圧も下げることが出来ます。
もう一つのむくみ対策、薬物療法の代表的なものが利尿剤の使用です。今回はこの利尿剤について簡単にまとめたいと思います。
むくみ対策における利尿剤・利尿薬の効果
日本人には食塩感受性高血圧が多く、高圧治療において、減塩が重要です。ですが、減塩が困難な場合は利尿薬を少量から併用します。
また、利尿薬はむくみなどを有する退役過剰を合併した高血圧に対する降圧薬としても効果があり、心不全の予防効果にも優れています。(出典:高血圧治療ガイドライン2019)
むくみの治療薬「利尿薬」は、むくみをとるために尿の量を増やして、体内から余分な水分を排出させるために使います。
尿と一緒に塩分も排出できるので血圧も下がります。そのために弱いながらも降圧効果も期待できます。
ループ利尿薬について
ループ利尿薬というのはヘンレループの太い上行脚にあるNa--K-2Cl輸送系(NKCC2)を阻害する利尿薬の総称です。もっとも多く使用されて来たのはフロセミドやトラセミドです。(出典:日本腎臓学会承認サイトjinzou.net)
私たちの施設ではほとんどの方がこの「ラシックス錠」という名前のフロセミドの薬を使っています。
サイアザイド系利尿薬
ループ利尿薬よりも遠位部の遠位尿細管におけるNaCl-共輸送(NCC)を阻害して利尿効果を発します。強い降圧作用があり、食塩感受性高血圧症に良い適応になっていますが、浮腫性疾患に対しては単独で使用されることは少ないのが特徴です。
ループ利尿薬が第1選択で、難治性の場合にはサイアザイドの併用が効果的な場合があります。(出典:日本腎臓学会承認サイトjinzou.net)
利用薬は使いすぎると脱水症状を起こすなどの副作用を起こすことがあります。次にその副作用についてまとめました。
利尿薬による副作用
利尿薬は、むくみをとるために尿の量を増やして、体内から余分な水分を排出させる働きがあります。また、尿と一緒に塩分も排泄するため、降圧効果も期待できます。
高尿酸血症、抗中性脂肪血症、耐糖能低下など代謝系への悪影響。
低ナトリウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症などの電解質異常への悪影響。
特にサイアザイド系利尿薬は副作用として、光線過敏症、高血糖や高尿酸血症になりやすくなることもあります。(出典:腎臓病の最新治療)
また、過度の減塩や脱水によって利尿薬の反応が増強することがあります。下痢をしている時や発熱時、また夏季の発汗などにより脱水を起こしている時の服用には注意が必要です。(出典:高血圧治療ガイドライン2019)
たまに、朝ごはんを食べずに、空腹で利尿薬を服用した時に、ものすごく効き過ぎることがあるようです。飲んでしばらくするとトイレが頻回になります。
私は服用した事がないのでどんな感じかよくわかりませんが、ラシックスを飲んでいる人に聞くと、「急にオシッコが溜まる感じ」「すごい効く日とあまり効かない日がある」「おしっこが一気に飛び出る」だそうです。
高齢者への利尿薬の投与
高齢者が利尿薬を服用する際は、基本的には少量から投与を開始します。患者の状態を観察しながら慎重に投与することが大切です。
高齢者では急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがあります。
特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがあります。
注意!利尿薬が個人輸入できる?
利尿剤の種類を色々調べていたら、ネットで個人輸入するサイトがありました。有効成分であるトラセミドを含有したループ利尿薬です。
レビューを見てみると、ほとんどの人がこの利尿薬をダイエット目的で使っているようです。利尿作用がとても強いのが口コミでよくわかります。どのぐらいの利尿作用があるのか確認したい人はチェックしてみて下さい。
一度も医師に処方されたことのない薬を購入するのは危険です。必ず病院で処方してもらって下さい。
日頃のむくみ解消には「ハトムギ茶」
ハトムギの利尿作用については古くから知られており、ハトムギ茶でも効果がみられています。
また、ハトムギは急性・慢性腎炎、ネフローゼ症候群や腹膜透析患者の治療にも利用されています。(出典:殻付ハトムギ熱抽出物の研究開発 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科)
特に腎臓病を患っているわけではないが、日頃のむくみが気になる方はハトムギ茶を試してみてはいかがでしょうか?
こちらは口コミNo.1の国産ハトムギです。粉末タイプとスナックタイプがあります。お茶だけでなくお料理にも使えるのが魅力です。美肌効果がすごいとのレビューがたくさんあります。
まとめ
最後に腎臓病の方のむくみ対策である、食事療法と薬物療法についてもう一度簡単にまとめます。
腎臓病の方のむくみ対策としては食事療法と薬物療法がある。
むくみ対策の食事療法は減塩が重要です。
減塩することで血圧も下げることが出来ます。
むくみ対策において薬物療法の代表的なものが利尿薬(利尿剤)の使用です。
利尿薬は尿の量を増やして、体内から余分な水分を排出させます。
利尿薬は尿と一緒に塩分も排出できるので血圧も下がります。
利尿薬はとても効果的なむくみ対策ですが、副作用にも注意が必要です。
私たちの施設でもかなりの多くの人が利尿剤を使っています。腎臓病の患者さんや高血圧の人などに処方されています。
もちろん、薬なので副作用もあるのですが、多くの人が助かっているのも事実です。
初期のころには自覚症状があまり現れにくい腎臓病においては「むくみ」は大事な気づきです。肺や内臓までむくみが進行してしまう前に、顔や手足のむくみを放置せずに、必ずかかり付けの医師に相談することをおすすめします。
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