よく、腎臓が悪い人は「塩分」と「たんぱく質」を制限しなくてはいけないと言われます。その理由は「塩分」と「たんぱく質」が腎臓に負担をかけてしまうからです。
では、なぜその2つが腎臓に負担をかけるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
腎臓に負担がかかる主な食べ物
日常の食生活で腎臓に負担がかかる主な食物成分は、「たんぱく質」と「食塩」です。
たんぱく質は3大栄養素の一つです。
3大栄養素
- 炭水化物
- 脂肪
- たんぱく質
そこで、たんぱく質と食塩が腎臓に負担をかけてしまう理由をもう少し詳しくまとめました。
「たんぱく質」が腎臓に負担をかける理由
たんぱく質は腎臓に負担をかけてしまう食物成分です。
3大栄養素である炭水化物と脂肪は体内で代謝されると二酸化炭素と水に変化し、息や汗や尿として外に出されるため老廃物はほとんど出ません。
それに対して、たんぱく質は、代謝されると腎臓からしか排泄されない尿素窒素などの老廃物が出ます。
そのため、タンパク質の摂取量が増えると、それだけ腎臓の負担が増えていきます。
不足すると他の病気が置きやすくなります。しかも腎臓病になると、一般には、尿に大量にたんぱく質が出ていってしまいます。
こうしたことから、たんぱく質の取りすぎはいけませんが、摂取量をむやみに減らすわけにはいきません。医者から指示された量はしっかりと取る必要があります。
次は食塩についてです。
「食塩」が腎臓に負担をかける理由
食塩も腎臓に負担をかけてしまう食物成分です。そのため摂取量を制限をする必要があります。
塩分制限が必要な理由
塩分を取り過ぎると、体内の塩分濃度が高くなる。
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すると、体液の塩分濃度を一定に保とうとして、水分が欲しくなる。
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しかし、水分を多くとってしまうと、体内を循環する血液の量が増えて血圧が上がってしまう。
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血圧が上がると、血管の壁に体液がたまり、血管が硬くなる動脈硬化を起こす。
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腎臓内の血管も動脈硬化が進むと、腎障害を発症する。(腎臓は体内の水分量や電解質の量を一定に保つほか、血圧を調整するホルモンも産生しています。)
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したがって、腎臓の障害が進めば進むほど、血圧は高くなり腎機能が低下していく悪循環に陥る。
塩分制限は、腎臓病の種類や症状、病期などによって違います。
まとめ
日常の食生活で腎臓に負担がかかる主な食物成分は、たんぱく質と食塩です。
たんぱく質
代謝されると腎臓からしか排泄されない尿素窒素などの老廃物が出るため、腎臓に負担がかかる。
塩分
体の中の塩分量が増えると、体の中の水分量が増えて血圧が高くなり、腎臓への負担が増してしまう。
これらの理由から慢性腎臓病の患者さんは、腎臓の負担が日常的にできるだけ少なくなるように、患者さん本人が食事などの生活習慣を管理する必要があります。
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