がんを引き起こす炎症として「慢性炎症」があります。
慢性炎症と、その炎症を抑える注目の栄養素の事を理解することが、がんの進行をおさえる手がかりになります。
そこで、まずはがんを引き起こす慢性炎症について、次に、炎症を抑える栄養成分についてまとめました。
がんを引き起こす慢性炎症とは
この慢性炎症は火事で例えると、ボヤが体の中で常に起きている状態のことです。慢性炎症が進むと大量のエネルギーを消耗し、強いだるさや食欲不振、全身の栄養状態が衰えたり、筋肉の萎縮などをもたらします。
また、慢性炎症は体重減少の原因のひとつです。
がんによる体重減少原因は、がん細胞から分泌される「筋肉の分解因子(PIF)」の影響といわれ、筋肉からやせていく傾向にあります。
だからこそ、がん患者の方のQOLを維持するためには治療の早期から十分なエネルギー補給と、炎症の抑制が重要なのです。
慢性炎症が進行すると「がん悪液質」に
この慢性炎症が進行すると「がん悪液質」と呼ばれるボヤを通り越して、大火事になったような状態に陥ることがあります。
この悪液質になる前に、炎症を抑えることがとにかく重要です。
近年では慢性炎症をコントロールできる物質の研究が進んでおり、炎症を抑えられる栄養成分としてEPAやカテキン、ミネラルのセレン、ポリフェノールなどが注目されています。
炎症を抑える栄養成分
EPA(エイコサペンタエン酸)
青青魚に多く含まれるEPAは炎症を抑えるとともに、筋肉を壊してしまう物質の働きも抑える効果があるといわれています。
EPAを1日2gとることで体重減少を抑えることができるという海外のデータがあり、慢性炎症を抑える効果が期待されています。
さばなどの青魚やはまぐりなどに多く含まれています。
カテキン
緑茶に豊富に含まれるカテキンは、強力な抗酸化作用があるため、抗がん作用があり、炎症を抑える効果がある物質として研究され、注目されています。
緑茶や抹茶に多く含まれます。
セレン
ミネラルのセレンは強い抗酸化作用を持つため、慢性炎症を抑える効果があるといわれています。有害ミネラルを封じ込め、無毒化する働きをします。
かつお、いわし、ほたて貝、 卵、 玉、ねぎなどに多く含まれています。
ポリフェノール
ポリフェノールには、慢性炎症で大量に発生する炎症性サイトカインやフリーラジカルを抑える効果があります。
ぶどう、 いちご、りんご、ブルーベリーなどの果物やそばや大豆などに多く含まれています。
まとめ
いかがでしたか?がんを引き起こす慢性炎症についてと、炎症を抑える栄養成分についてまとめました。
退院後、すぐは食べられないことが続くかもしれません。そのため体重が減少するケースが非常に多いです。十分に栄養を摂りたくても思うように食事がとれないときもあります。
体重減少は体力と免疫力を低下させてしまいます。
そんなときは、通常の食事だけでなく、栄養補助食品をどんどん活用して下さい。
参考書籍
体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!(著者:池谷 敏郎)
炎症が私たちの「健康」や「老化のスピード」に大きく関わっています。
がんが食事で消えた! 代替療法否定論者の私を変えたがん患者への取材記録(著者:中 大輔)
真柄医師は 1食事療法、2刺絡療法、(鍼治療の一種)、3メンタルケア の三本柱によってがんを回復させていいます。
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