腎臓病の人は、たんぱく質を制限しなければいけません。ですが、たんぱく質は体を構成するなど、重要な栄養素です。不足するとサルコペニアにつながるなど、体に支障がてきます。
そのためにも、腎臓の負担を減らしつつ、体が必要な分を補給できるよう、適正な摂取が大切です。
腎臓病の方の目安となる1日のたんぱく質摂取量の計算式があるので一度確認してみましょう。
1日のたんぱく質摂取量の計算式
たんぱく質の摂取量については、重症度を示すステージとともに、尿たんばくの数値などをも含めて総合的に判断されます。
慢性腎臓病に対する食事療法基準(1日のたんぱく質量)
ステージ | たんぱく質量(1日に標準体重1kgあたり) |
G1 | とりすぎない |
G2 | とりすぎない |
G3a | 0.8~1.0g |
G3b | 0.6~0.8g |
G4 | 0.6~0.8g |
G5 | 0.6~0.8g |
ステージG1、G2
ステージG1、G2の人は、一日のたんぱく質量に特に制限はありません。ですがあまり摂りすぎないように注意は必要です。
ステージG3a
尿たんぱく量が1日0.5未満のステージG3aの場合
1日のたんぱく質摂取量【 】g
=標準体重【 】kg × 0.8~1.0g
ステージG3b、G4、G5
尿たんぱく量が1日0.5g以上のステージG3b、およびステージG4~5の場合
1日のたんぱく質摂取量【 】g
=標準体重【 】kg × 0.6~0.8g
※標準体重の求め方
標準体重【】kg =
身長【】m × 身長【】m × 22
1日のたんぱく質摂取量はあくまでも目安です。指示されるたんぱく質量は患者さんごとに違います。
毎日の献立を作るにあたって
献立を立てるときには、使う食材すべてから、摂取するたんぱく質を計算しなくてはなりません。一度、自分の1日のたんぱく質摂取量から、各食材を使うときの目安の分量を出してみましょう。
なお、ステージが進んで、たんぱく質の制限が厳しくなると、献立を立てるのが難しくなってきます。
こちらは施設で使っている腎臓病の方用のレシピ本です。わざわざ計算をしないで済むので、大変便利で助かっています。このようなレシピ本があると献立を立てるのが簡単になります。
『腎臓を長持ちさせる安心献立レシピ』
まとめ
腎臓病の方の目安となる1日のたんぱく質摂取量の計算式を紹介しました。
慢性腎臓病の治療において欠かせないのが、食事療法です。今以上に腎機能を低下させないためにも普段の食事に気を付ける必要があります。
たんぱく質が多い食品は同時にカリウムもリンも多くなってしまいます。カリウムやリンも腎臓に負担をかけてしまう成分です。