実は、刻み食やミキサー食が適している人はほとんどいません。安易な刻みやミキサーは食欲不振につながるので注意が必要です。
そこで、刻み食の危険性と、刻み食が向かない人はどのような人なのか、まとめました。
- むせる
- 飲み込めない
- 飲み込むのに時間がかかる
このような事が気になる人は必見です。
実は危険!刻み食のデメリット
刻み食にはこのようなデメリットがあります。
× むせやすくなる・飲み込みにくい
刻み食は、口の中でまとめるのが難しく、むせる原因になります。
また、まとまらないため、飲み込むのが難しくなります。
× 食欲不振になる
見た目が食べ物と認識できないと、食欲がわきません。
刻み食が向かない人はこんな人
刻み食が向かない人はこのような人です。
- マヒのある人
- 入れ歯で食べ物をまとめるのが難しい人
- 飲み込みそのものに問題がある人
飲み込みそのもに問題がある人とはこのような人です。
機能的摂食・嘛下障害(解剖学的構造には問題がなく、動きに問題がある)
器質的摂食・隣下障害 (解剖学的構造に問題がある場合)
刻み食が向かない人に、刻んだ食事を食べさせ続けると、むせる原因になったり、食欲不振の原因になったりします。
そもそもなぜ刻むのでしょうか?
- 細かいほうが食べやすいと思うから…
- 細かいほうが飲み込みやすそうだから…
- すぐにむせたり詰まったりするから…
- 食べるのがおそいから…
これらの理由で安易に刻み食にするのはやめましょう。食べない原因や飲み込みにくい原因をもう少し考えることが大事です。
飲み込みにくい、食べにくい原因は何か?
食べない原因の90%は食欲不振です。
病気で食べることができないのであれば、栄養補給のために点滴や胃ろうという医療的対応もしかたありません。しかし高齢者が食べない原因の90%は食欲不振だと言われています。
そして、食欲不振になる原因にはこのような事が考えられます。
- からだを動かさないためお腹が空かない
- 認知機能の低下で食べ物を認識できない、もしくは食べ方が分からない
- 誤嚥などにより肺炎を起こしている
- ストレスなどの精神的な問題を抱えている
- 胃や腸が弱っている
- 口腔内に傷や口内炎などがある
- 入れ歯が合わない
中には、好きな物なら食べることが出来たという人や、外食してみるといっぱい食べたということもよくあります。生活的対応で激変するケースが多々あるので、試してみて下さい。
それでも食べにくい、飲み込みにくいと訴える場合は、ほかにも、しゃがれ声、呂律が回らない、咳き込み 、熱、息切れなどの症状がないか観察します。
食べ物を飲み込むためには、嚥下のための一連のメカニズムがあります。飲み込みにくい、食べにくいのはこの一連の流れに問題が起こっている可能性があります。
スムーズに飲み込むための一連の流れ
食べ物を飲み込むときには、 多くの神経、筋肉の動きが関連し、このような流れになります。
先行期
食べ物の形や量、 質などを確認し、食べ方を判断したり、唾液の分泌を促したりする。
見た目が食べ物と判断できない場合はこの飲み込むためのメカニズムがいきなりくるってしまいます。刻み食が飲み込みにくい原因の大きな一つです。
準備期
口腔内に取り込んだ食べ物を阻噌し、 唾液と混ぜ、 飲み込みやすい食塊にする。
食塊とは食べ物を適切な大きさで飲み込む為に、わたしたちが自然にしていることです。刻み食は塊になりにくく、ばらばらのまま、次の工程へ運ばれるため、誤嚥の危険性があります。
口腔期
口腔から咽頭へ食塊を送る
咽頭期
連続した反射運動により咽頭から食道へ食塊を送る
食道期
食道から胃へ食塊を送る蠕動運動
繰り返しますが、何の食べ物か分からない刻み食はいきなりこの流れを狂わせています。
食べ物が何かわからないのでは食欲が出ないどころか不安です。それにかえってむせて食べにくいことがわかります。
まとめ
今回は、刻み食の危険性と、刻み食が向かない人はどのような人なのかをまとめました。
食べやすくするために刻む必要がある場合も、確かにあります。ですが、食べられないだろうと決めつけ、安易に何でもかんでも細かく刻んでしまうのは少し考える必要があります。
細かく刻むのではなく、一口大に切る、柔らかく調理するなどで対応することが、誤嚥の危険を遠ざけ、食欲不振を防ぐ方法です。
噛む力がない人は、歯ぐきでつぶせるぐらいの柔らかさで、水分の多い湿ったもの、なめらかなものが適しています。
とろみ剤などを大いに活用して、食べる事が楽しいと思う気持ちをなくさない調理の工夫をしてみてはいかがでしょうか?
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