嚥下障害がある人は、特に食べ物や飲み物の誤嚥に気を付ける必要があります。誤嚥とは、食べ物などが間違って気管の方へ入ってしまうことです。
食べることは生命と健康を保つことであり、楽しみでもありますが、誤嚥性肺炎の原因にもなっているのが現実です。
まずはそのためにも、誤嚥しやすい(食べにくい)食品が何かを知ることが大事です。さらに、食べる時の姿勢などにも注意して、そして安全に食事が出来るように工夫しましょう。
そこで、誤嚥しやすい食べ物と、注意点や工夫、対応、さらに食べやすい食品の条件をまとめました。
食べにくい食品のタイプとその工夫
嚥下に問題がある人が特に食べにくい食品のタイプです。それらの食品を食べる時には注意する必要があります。工夫などをして対応して下さい。
サラサラした液体
水、お茶、ジュースなど
水やお茶はまとまりがなく流れが速いため、のどまで一気に流れ落ちてしまう危険な食品です。
とろみ剤などを利用してとろみをつけ、 流れる速度をゆるめると飲み込みやすくなります。
口の中でまとめにくいもの、バラバラになるもの
ひき肉、豆類、こんにゃくなど
噛んだ後や口の中に入れるとバラバラになる食品は誤嚥しやすい食べものです。
あんかけにする、とろみ剤を使うなどしてまとまりやすくする工夫が必要です。
パサパサしている物、乾燥しているもの
焼き芋、パン、カステラ、焼き菓子など
水分が足りないため口の中でひとかたまりにまとめにくい食品です。また、上あごにくっつきやすいのが特徴です。かけらや粉を吸いこんで、 むせたり誤嚥を起こすこともあります。
水分につけるなどしてしっとりさせる必要があります。
粘り気の強いもの
もち、団子、とろみをつけすぎた食品
粘り気のある食品は飲みこむために力が必要で、窒息を起こしやすい食品です。
適度なとろみは食べやすさにつながるが、とろみをつけすぎるとかえって飲みこみにくくなるので要注意!
噛み切りにくいもの
肉、タコ、イカなど
噛む力が衰えている人では、 硬い食品が十分に噛み切れません。無理に飲みこもうとして窒息することもあります。
隠し包丁を入れる、小さく切るなどの工夫をする必要があります。
口の中やのどにくっつきやすいもの
最中の皮、ウエハース、焼きのり、煮豆の皮
薄くて乾燥した食品は口の中やのどにくっつきやすい食べ物です。
誤嚥しやすい人は、喉にいきなり入りやすいナメコ、こんにゃく、飴などは極力避けた方がいい食べ物です。
※特に認知症の人に、飴は要注意です。
では、反対に食べやすい食べ物とはどのような食品でしょうか?食べやすい食品の5つの条件をまとめます。
食べやすい食品の条件
つぶれやすい食品
舌と上あごではさんで押しつぶせるぐらいの柔らかさであれば、 噛むカが弱くても食べられます。
のどごしがよい食品
のどを通るとき、なめらかでベタつかない食品は、 飲みこみやすい食品です。
流れがゆっくりの食品
水は流れが速く、 のどまでー気に流れ落ちて、むせや誤嚥の原因になります。流れのゆっくりしたものの方が飲みこみやすい食品です。
粒がなくなめらかな食品
咀嚼する力が弱いと小さな粒々はすりつぶしにくく、飲みこめないことがあります。 あまり粒が残らない均一な形態の方が食ベやすい食品です。
水分と固形物が分離しにくい食品
味噌汁のように口の中で水分と固形物が分離してしまう食品は飲みこみが難しい食品です。とろみをつけるなどして、 まとまりやすくするなどの工夫が必要です。
まとめ
以上、嚥下しにくい食べ物とその解決方法、また、逆に食べやすい食品の条件をまとめました。
食べやすい、食べにくい食品の特徴を知ったうえで、その人の食べる能力に合わせた食事を工夫することが大切です。
一般的には、噛む力の低下に対しては柔らかくする、1口大にするなど。また飲みこむ力の低下に対してはとろみをつけるなどすれば、食べやすくなります。
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