先日、大腸ガンの術後の食事内容につて色々と調べていたら「手術後の過保護な病人食は回復を遅らせている。」という内容が書かれた本を読みました。
一般的に手術後の患者さんの食事は「消化がよく栄養がつくものがよい」と言われています。
ですが、現代の理論に従えば、食物繊維をまったく排除している結果、腸内に腐敗菌を増やす可能性があるとの事です。
書籍は『林檎の力』、著者は田澤賢次氏で、現役の大腸を専門とする外科医。りんごに含まれるアップルペクチンについて研究しています。
もし手術がガン摘出手術だったら、やわらかくて栄養満点の食事は、むしろガンに「再発してください」といっているようなもの。
と、このように著者は言います。
流動食→三分粥→五分粥→七分粥→全粥→普通食
術後はこのような消化の悪い物は一切省いて、消化がよく吸収されやすいものだけを食べるのが当たり前のように思えます。
スウェーデンのマルメで行われた国際大学結腸直腸会議でのアメリカの発表。
- 術後にすぐに食事をした患者
- 絶食した患者
術後すぐに食事をしても、絶食群の患者と比べて悪影響は認められなかったという発表があります。
つまり、この結果によると、術後早々から食事を開始しても大丈夫だということになります。
さすがにがに大腸の手術直後に普通食はどうなのかなぁ?とは思いますが…閉塞とか聞きますし…。
ですが、そのアメリカのグループの人たちは、術後の食事は、ジュースや生野菜など非吸収性の食物繊維を摂取させることによって、腸内の有用菌、善玉菌を手術前の状態に早く戻すことが非常に重要だと指摘しています。
栄養を摂ることで体力をつけるよりも、善玉菌を増やすことで体力も回復させるほうが先決だという認識です。
病院では相変わらずお粥食が出されています。
現在の手術後の栄養管理はもっと考えられるべきですし、とくにガン患者の場合には、転移抑制という面からも考えていく必要があると思います。(林檎の力/田澤賢次)
参考書籍
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