胃は柔らかい筋肉で出来た袋状の臓器です。
入口を噴門、出口を幽門と言い、食べ物の出入りを調節しています。そんな胃にピロリ菌が感染することにより、胃の粘膜に慢性の炎症が生じ、胃がんのリスクが高くなります。
ピロリ菌以外にも胃がんの危険因子があります。そこで、胃の役割と胃がんの特徴、そして胃がんの危険因子についてまとめます。
がん研有明病院 がん治療認定医の比企 直樹氏の書籍を参考にしました。
胃の役割:そもそも胃の働きってどんなもの?
①食べ物をためておく
②蠕動運動で食べ物を撹拌して粥上にし、十二指腸に少しずつ送る
③たんぱく質や脂肪の一部を分解する
④小腸でのビタミンB12の吸収を助ける物質を分泌する
⑤消化管ホルモンを分泌し、胃酸と消化酵素の分泌を促す
⑥胃酸を分泌し、食べ物と一緒に入ってきた細菌などの殺菌を行う
胃がんの特徴
がん発生のメカニズム
正常な細胞
細胞のがん化
遺伝子の異常
秩序正しく増殖したり、死滅したりしている状態
がん抑制遺伝子や免疫細胞の働きで、細胞のがん化を止める
10~20年後に「がん」としんだんされる
胃がんが発生して進行がんになるまで
●健康な胃
ピロリ菌に感染したり塩分の多い食事などをしていると…
↓
●慢性萎縮性胃炎
●腸上皮化生
↓
●早期がん
がんが粘膜内または粘膜下までにとどまっている状態
↓
●進行胃がん
がんが筋層を超えて浸潤している状態
胃がんの原因:危険因子
がんの大きな要因はヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)。胃にピロリ菌が感染することにより、胃の粘膜に慢性の炎症が生じます。
さらに喫煙によって胃がんリスクが11倍にまで跳ね上がると言われています。
危険因子
- 野菜や果物不足
- 高血糖や糖尿病
- ストレス
- 添加物の多い食事
- 塩分の多い食事
- インスタント食品のとりすぎ
- カップ麺
- 強いお酒
- 肥満
これらのものが胃がんの危険因子ということがわかっています。(比企 直樹医師:がん研有明病院 がん治療認定医)
まとめ
胃の役割と胃がんの特徴とメカニズム、そして胃がんの危険因子についてまとめました。もう一度簡単にまとめます。
胃は、食べ物の出入りを調節しています。
そんな胃にピロリ菌が感染することにより、胃の粘膜に慢性の炎症が生じます。
炎症から早期胃がんになり進行胃がんへと進みます。
ピロリ菌以外の原因もあります。そのほとんどが生活習慣によるものです。
参考書籍
毎日おいしく食べる! 胃を切った人のための食事
著者:比企 直樹 (がん研有明病院 がん治療認定医)