認知症の発症リスクが低い食生活を、認知症予防学会のシンポジウムで行われた「食事と認知症の関係」の資料を簡単にまとめます。(2019年10月)
臨床・疫学研究の結果から、認知症の発症リスクが低い食生活、3つのポイントが分かります。
食事と認知症の関係:久山町研究
今の日本は4人に1人が高齢者。超高齢社会に伴い、認知症の増加が医療・社会問題となっています。
そのため、認知症予防に有効な食事について関心が高まっています。(二宮 利治:九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野)
近年の海外の臨床・疫学研究の成績では、 地中海式食事パターンが認知症の発症リスクを減少させるという報告があります。
(地中海食とは、地中海沿岸諸国の料理で魚介類やオリーブオイルを使った料理が多く、健康な食事としての科学的エビデンスの高い食事です。)
そして、日本でも認知症の疫学研究がおこなわれています。それが、福岡県久山町での研究です。
日本での認知症の疫学研究
地域住民を対象とした生活習慣病や認知症の疫学研究(久山町研究)です。
1988年の生活習慣病健診で食事調査を受診した認知症のない60~79歳の住民1006人を17年間追跡調査しました。
そして、その後の認知症の発症の有無を調べた調査です。
調査結果
大豆製品と豆腐、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、乳製品、芋類、果実類、魚の摂取最が多く、米とアルコールの摂取が低いという食事パターンをする人は、全認知症の発症リスクが有意に低かった。
病型別の検討では、アルツハイマー型認知症、血管性認知症ともに発症リスクが低かった。
またこのような調査も実施しました。
カルノシン・アンセリンの摂取が認知症を予防する?
近年、鶏肉に多く含まれるイミダゾールジベプチドとして知られるカルノシン・アンセリンの摂取が抗酸化作用、抗糖化作用、抗炎症作用を介して認知機能障害に予防的に作用することが報告されています。
そこで、カルノシンやアンセリンの分解産物の血中濃度と、認知症の発症リスクとの関連について調査しました。
研究結果
その結果、カルノシンやアンセリンの分解産物の血中濃度の上昇に伴い、全認知症の発症リスクは有意に低下しました。
この結果から、認知症の予防にはカルノシンやアンセリン(イミダゾールジベプチド)が多く含まれる食品の摂取が効果的だと分かります。
研究結果のまとめ
日本で認知症発症のリスクが低い食生活
大豆製品と豆腐、緑黄色野菜、淡色野菜、藻類、乳製品、芋類、果実類、魚の摂取最が多い。
米とアルコールの摂取が低い。
鶏肉に多く含まれるイミダゾールジベプチドとして知られるカルノシン・アンセリンの摂取が多い。
カルノシンやアンセリン(イミダゾールジペプチド)の効果
- 疲労回復効果
- 抗酸化
- 抗炎症作用
- 運動能力を向上させる効果
- アンチエイジング効果
- 生活習慣病を予防する効果
- 糖化を防ぐ効果
- 活性酸素を抑える働き
カルノシンやアンセリンを多く含む食品
- 鶏肉
- 牛肉
- 豚肉
カルノシンやアンセリン(イミダゾールジペプチド)のサプリメント
カルノシンやアンセリンを多く含む食品、鶏肉、牛肉、豚肉などからの摂取が難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
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以上、認知症の発症リスクが低い食生活【食事と認知症の関係】の研究結果をまとめました。
認知症を予防するには食習慣にも注意することが重要です。