高齢者で痰が絡まりやすい人は気管や肺が弱っている可能性があります。中でも一番怖いのが誤嚥性肺炎です。
そこで、痰が絡む原因と、高齢者の誤嚥性肺炎が危険な理由をまとめます。
痰が絡む原因(特に高齢者)
痰は、呼吸器にとって有害な物質(ほこりや細菌、ウイルスなど)を対外に排出する役割があります。
痰は健康な人でも毎日少しずつ排出され、無意識で飲み込んでいます。
痰が絡むほど出るということは、体がそれだけ多くの痰を出さなければならない状況の時です。その状況とは気管や肺に有害な物質がたまっている状況です。
痰が絡まる症状がある場合に考えられる原因
- 風邪
- インフルエンザ
- 肺結核
- 肺炎
- 気管支炎
- 肺がん
- 花粉症
- 喘息
そして、高齢者は飲み込む力が低下しているため、誤嚥によって肺炎を起こしているケースがあります。それが誤嚥性肺炎です。
※誤嚥・・・食べ物が気管や肺に入ること。
気管や肺に入り込んだ食べ物から細菌が増殖し、それらを体外へ出そうとして大量の痰がでます。
もしも、誤嚥性肺炎を起こしていたら非常に危険で厄介です。
次に誤嚥性肺炎が危険な理由を説明します。
誤嚥性肺炎が危険な理由
高齢者が誤嚥性肺炎になると、命の危険性が跳ね上がります。肺炎で死亡する人のほとんどが75%以上の高齢者です。
この誤嚥性肺炎は「がんよりも怖い」と言われている病気です。
高齢者は誤嚥しやすいだけでなく、うまく”むせる”ことができません。そのため、誤嚥してもむせずにそのまま食べ物などが気管やに侵入してしまい、炎症を起こします。
しかも、炎症を起こしていても熱が出ずに、ほぼ無症状の人もいるのが怖いところです。
つまり、重症になるまで気づかないパターンが多いのがこの誤嚥性肺炎です。さらに、一度かかると何度も繰り返し、最悪は絶食を言い渡されることもあります。
そのため、高齢者の場合は、痰になんらかの変化があった場合や熱がないのに咳や体のだるさが続く場合は早急に医療機関の受信が必要になります。
誤嚥性肺炎の怖いシナリオ
高齢者は喉の筋力低下やむせることがうまく出来ないため、誤嚥しやすい
誤嚥していても自覚症状が出にくいため、重症になるまで気づかない
気付いた時にはすでに重症になっている可能性がある
一度完治しても何度も繰り返してしまう
何度も繰り返すと、食べることが危険と判断され、絶食になる場合がある
食事を再開しても飲み込む力が衰えてやっぱり食べることが出来なくなる
場合によってはこの時点で胃ろうを迫られることがある
口から食べることが出来なくなると本人は生きがいをなくしてしまう
最悪のパターンにならないためにも、まず最初の症状を放置しないことが重要です。また、誤嚥しない為に、飲み込む力を維持させることが大切です。
飲み込む力は嚥下訓練によって鍛えることができます。
まとめ
高齢者で痰が絡まりやすい人は気管や肺が弱っている可能性があります。万が一誤嚥性肺炎を起こしていたら大変厄介です。
重症になるまで誤嚥性肺炎に気づかないことがあるため、痰の量や色の変化など小さな異変を見逃さないことが重要になります。
たとえ熱がなくても痰の状態がいつもと違うようであれば、医療機関を受診することを強くおすすめします。
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