高齢者でも特に認知症の高齢者は自分の入れ歯の不都合を訴えることが出来ない方が多くいます。
入れ歯が合わないと、口臭がひどくなるケースもあります。
- こまめな口腔ケア
- 総入れ歯を頻繁に洗浄
- 舌ブラシを使用
これらのケアを徹底的にしても口臭がひどい場合は、口の中にトラブルを抱えている可能性があります。
よくあるトラブルの一つに入れ歯がしっかりと合っていないために起こる口の中の炎症があります。
入れ歯が口に合わず動いてしまうと、歯肉に傷が出来たり、炎症を起こしたりします。それが悪化して膿になってしまうと、ひどい口臭の原因になります。
寝たきりになると骨の出っぱった部分がこすれたり圧迫されて、床ずれ(褥瘡)ができてしまうことがあります。
その口腔版ともいえるのが褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう)。刺激を受けた粘膜部分が赤くなったり、えぐれてきたりします。ひどい人は膿が出ていることもあります。
褥瘡性潰瘍は、合わない入れ歯(大きい、長い、咳み合わせが合っていないなど)を使っているために、入れ歯と触れる歯肉部分によぶんな力がかかったり、こすれたりすることで起こります。
潰傷ができると、食べものがあたると痛いので、要介護者では食事をするのを嫌がることがあります。「最近、食欲がないな」と思ったら、口の中をチェックしてみることも大切です。
入れ歯が合わず固形物が食べられなくなると、唾液の分泌量が減り、さらに口の中が汚れます。
口の中の細菌が増えると誤嚥性肺炎のリスクが高まります。もし、そこで肺炎を起こしてしまったら、どんどん「口から食べる」ということから遠ざかって行きます。
そのような悪循環にならないためにも、口腔ケアをしているにもかかわらず口臭がひどい場合には、ケアマネージャーに相談するなり歯科医を受診するなりの対応が必要です。
入れ歯がぴったり合い、口の中のトラブルがなくなるだけで、表情がいきいきとし、食べる意欲を取り戻す人はたくさんいます。