胃がんの術後の食事で大事なのは、料理を作る人が、手術をした人の体に起こっている変化を十分に理解することです。病気の事や食事のポイント、後遺症などについて一通りの知識が必要です。
そこで、胃を切除した後の食事で気をつけたい食材についてまとめました。
胃を切除した後の食事で気をつけたい食材
主食
もち・赤飯
もちやもち米は便を固くします。早期の腸閉塞を招きやすいので気をつけて。
玄米
玄米は、消化に悪く、腸管をつまりやすくするから避けた方が無難。
中華麵
中華麺はかん水を含み消化が悪いから、特に気をつけて。
主菜
いか・たこ
消化が悪いので早期は気をつけること。取り入れる時は細かく刻んで少しずつ食べてもらいましょう。
脂身の多い肉、豚バラ肉
脂身の多い肉は、消化が悪いだけでなく、胃にも負担をかけます。どうしても本人が食べたがるなら、ほんの少量を。寝る前に食べるのは絶対に避けましょう。
ベーコン
ベーコンの原料は豚バラ肉を塩蔵したものです。3ヶ月以降から少しずつ取り入れていきましょう。
油揚げ・厚揚げ
油で揚げている物は消化に時間がかかります。早期は避けましょう。3カ月後から油抜きをして少量ずつ取り入れましょう。
副菜
海藻
食物繊維が特に多い海藻は、なるべく避けるほうがよい食材です。
ごぼう
食物繊維が多い野菜は、早期は避けるほうがよい食材です。
たけのこ
取り入れるときは穂先のやわらかい部分を刻みましょう。
れんこん
やわらかくゆでて、薄く切って、少量だけ取り入れて。
にら
繊維が多いので細かく刻んで、 少しずつ取りいれて。
きのこ
食物繊維が多く、消化が悪いから3か月目ぐらいまでは避ける。
ぜんまい
ぜんまいなどの山菜は繊維が多いので、なるべく避ける。
こんにゃく
消化が悪いので、特に気をつけて。早期は避ける。
間食・おやつ
ドライフルーツなど繊維の多い果物は特に気をつけたい食材です。ドライフルーツ、パイナップル、柿はできるだけ避けること。
3か月目ぐらいまでは低栄養と体重減少を予防するために、栄養補助食品がおすすめです。
その他
コーヒー
カフェインが多く、刺激が強いので、飲むなら牛乳を加えて少量に。
炭酸飲料・ビール
炭酸の飲み物はおなかがふくれるので、 術後の早期は避けましょう。
ナッツ類
繊維も多く、消化も悪いナッツ類は気をつけた方がよい食材。
胃がん手術後の食事の献立に役立つおすすめレシピ本を紹介
『胃を切った人のための食事』
退院後の食事のすすめ方や献立の立て方が分かりやすく紹介されています。
胃切除後の後遺症の症状別対処法とそれに合わせたおすすめレシピが載っています。
全レシピに症状、栄養素マークが付いていて、メニュー選びが簡単です。
一番のポイントは作り置きで食事作りがラクになるレシピやアイデアが満載!
術後の食事の不安を解決してくれる、料理を作る人がとても助かる本です。
まとめ
胃を切除した後の食事で気をつけたい食材のことと、介護現場でとっても重宝しているレシピ本について紹介しました。
一番大事なのは、手術をした人が食事を楽しむ気持ちを忘れずに毎日を過ごすことです。そうすれば、次第に食べる量も増えます。
いつも「どろどろに煮詰めた薄味の野菜」では食べる気力が湧きません。普段から手術をした人が、好きなおいしいものを、楽しみながら食べさせてあげることが大切です。
参考文献
・『胃を切った人のための食事』がん研究有明病院 著者:比企直樹
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