胃の切除後は、思うように食べられなくなります。それにより、体重が減少します。手術のあとは、なるべく体重を減らさないようにする必要があります。
胃切除後の食事のポイント
少しずつよくかんで食べること
胃を切除したあとは口に胃の働きを補ってもらいましょう。
- 食べ物を少しずつ小腸に送る
- 食べ物を撹拌して粥状にする
という胃の働きを口で補うことが大切です。そうすることにより、胃や腸への負担が少なくなります。
色や適度なスパイスで食欲のわくメニューを
色や味のない料理は食欲を減退させ、体重の減少につながります。
トマトや赤パプリカ、にんじんなどの赤い色の食材を効果的に取り入れましょう。
また、好きなスパイスを使って味付けすることで、食欲増進につながります。
家族みんなでおいしく食べる
退院してからの食事は、気をつけたい食材をなるべく避け、かたさ、大きさに気をつければ、家族でおいしく食べられる料理もたくさんあります。
特別に用意された食事よりも、家族で同じものを食べることが、食べる意欲につながります。
食べることを楽しむ工夫を
毎日、同じ献立では、食欲減退につながります。和食の他にも洋食、中華風のおかずなど、味にバリエーションを広げると、食べることが楽しくなります。
私の施設では、お好み焼きが人気です。いつもあまり食べない人でも、お好み焼きはたくさん食べてくれます。
1回の食事量を少なく、回数を多くして食べる
病院での食事指導で言われることですが、胃を切除すると1回の食事をたくさん食べられなくなります。
そのため、回数を多くして、1日に摂取する食事の量は減らさないようにします。
基本は1日3食+間食で5~6回食がおすすめです。
おやつを活用する
食事3回の他に、間食を3回ほど取り入れますが、その場合は高カロリー、高栄養のおやつを食べるようにしましょう。
人気はこのメイバランスのブリックゼリーです。飲むタイプのものよりも喜ばれます。のどごしもよく食べやすいのがポイントです。
すぐに食べられるものを作り置きする
胃の切除した人の食事を作るのは、本当に大変。そんなときは、作り置きのおかずが重宝します。食事づくりがラクにしましょう。
レシピ本などを参考にしてみてください。
→『毎日おいしく食べる胃を切った人のための食事』
水分を意識してとる
胃を切除した人が一番に気にしてほしいのが「水分」です。食事からの水分摂取量が減るためです。なるべく水分を多くとりましょう。
ミント水やミントティーは、胃をスッキリさせる効果があります。食後の胃もたれなどが気になる人は取り入れてみて下さい。
まとめ
胃を切った人が、術後に体重を減らさないための、食事のポイントをまとめました。胃の切除後は、だいたい3か月~1年でお腹の働きが回復すると言われています。
今までに何人も胃を切った人のケアをしてきましたが、皆さん5か月を過ぎるころには後遺症も減り、体重も少しずつ戻ってきます。
初めのうちは体重は減少するものです。あまり神経質になりすぎないようにしましょう。